DTM tips 創作

インストを作曲する具体的な手順例

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べん(@hacoven)です。

前回の記事「歌ものはカッコいいのにインスト書くと残念になっちゃうのなんで?」
を読んで頂いた方から、もうちょい具体的に頼むよと…
はい、すみません。

自分でも読み返してみましたが、「とにかく聴けよ、聴かなきゃ書けねぇよ。」的な、
身も蓋もない内容でしたね。反省してます…
そんな反省の意味も込めて削除せずにおこうかと。

ということで、今回はもう少し具体的に話しを書きます!
※今回はあくまでもお仕事案件での制作を想定しています。

楽器(音色)の選択→リズム構築→スケールの選択、の順番でまずはラフスケッチ。

インストに苦手意識のある人が書いた曲の症状として主たるものは、
”何をしたい曲なのかがよく分からない”
というのがあります。
何となくカッコいいというか、顔がないというか…

特にお客様からご注文をいただいて書く場合、この”何となくカッコいい”は危険です。
あと一歩でOKを貰えないループに嵌ります。(経験あり…)

そこで、大まかな流れとして、

楽器(音色)の選択→リズム構築→スケールの選択、

この順番でラフスケッチを組み立てるとわりと早い段階で目的地に到達出来ますよ、という話しです。

具体的に一つずつ解説を。

楽器(音色)の選択

楽曲のだいたいの楽器編成を予め想定しておく。
これは”早書き”のノウハウとしても大事ですね。
時代劇なら和楽器?
たとえばそこに火薬の匂いのする”戦闘シーン”があるなら
ディストーションのギターがマッチするかもしれません。
または民族的なテイストを取り入れたいかもしれません。
それならその民族感はアフリカ?アジア?それともケルト?。

さらに付け加えるとその想定した楽器を用意出来るのか。
つまり演奏者をブッキング出来るのか?その予算とスケジュールは調整出来るのか?
予算がないなら打ち込みでどこまで作り込めるのか?などなど。

つまりお仕事の場合、大抵最初の音打ち(音楽打ち合せ)で、
話し合う内容ですね。

ここの段階でかなり制作における”制約”が発生します。
制約が生まれるということはルールが決まるという事です。
ルールが出来るという事は、
作業中の選択肢が限られて意思決定が早くなるということです。

リズムの構築

乱暴な言い方をすると、
音楽のジャンル感はほぼほぼリズムに定義されます。

先に決めた楽器構成をもとにどのようなリズムを構築するか。
具体的にいくつか例を作ってみました。

A

B


Aは明らかにラテンがやりたいって分かりますよね。
Bは和の太鼓が数種類とハイハット、スネアのミックスです。
三味線とかお囃子みたいな笛の音が聴こえてきませんか?

スケールの選択と構成

次にうわもの。
まず、分かりやすくメジャーかマイナーか。
モード(旋法)を使っても面白いですね。
モードのそれぞれの雰囲気を身体に入れておくと便利です。
ドリアンとかミクソリディアンとかね。
それぞれどんな有名曲があるかを調べてみるのも面白いので是非是非。
(あっという間に一日が潰れます…)

で、コード進行のある曲なのか、それともワンコード一発なのか。
オーダー内容によってケースバイケースですが、
このワンコード一発は結構使います。

「ワンコードだけで曲が書けるの!?」なんて思われる方もいるかと思いますが、
世の中にはそんな名曲が結構あります。

最も有名なのはラヴェルの「ボレロ」;in C

「ボレロ」は先述したリズムの構築においてもすごい!もう人類の宝です。
楽器、音色の選択という意味でも神懸かり的なオーケストレーションです。

それと歌ものだけど…
ビートルズの「Tomorrow Never Knows」in Cミクソリディアン

ミクソリディアンはロックではよく出てきますね。

 

まとめ。土台が出来てその後

楽器(音色)の選択→リズム構築→スケールの選択、の順番でまずはラフスケッチ!!
で、ラフスケッチができてしまえば
その土台の上で好き放題遊べばいいんです。

最初に選択した楽器(音色)を使ってリフやテーマを作ったり、
テーマに対して追っかけのオブリを弾いてみたり。
さらにハモってみたりユニゾンしてみたり。

楽曲の方向性とか”やりたい事”がはっきりして背骨のある状態なので
少々無理しても破綻することはありません。
あとは、センスです。妄想のセンス。

闇雲に書き進めるよりも間違いなく早いし、
土台の”制約”がむしろ妄想を加速してくれます。

あとは、いろんな楽器に興味を持って調べてみる。
出来れば触って演奏してみる。
自分の中で臨場感の高い楽器が多いと書きやすくなります。

 

いかがだったでしょう?
インスト作曲の具体的な手順の一つとして書いてみました。
歌もの作る時とあんまり変わらないと思いませんか?
そうなんです。
別に意識して書き分ける必要もないんですよね。

という、やっぱり身も蓋もないところに着地させてみる…

 

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